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アタかご作りにはたくさんの人々がいろいろな形で携わっています。
「アタ取り」➡「アタ材料買取販売業者がアタを買い取る」➡「アタ材料買取販売業者 ➡ 胴元へ」➡「下準備から編みへ」➡「天日干し」➡
「燻し」➡「仕上げ」 黒に染めるには更に次の工程が続く➡黒色の色付け・・・➡「表面を削る」➡「染料の入っている釜で煮る」➡
「水洗い」➡「天日干し」➡「メラニン樹脂塗り」➡「天日干し」➡「仕上げ」
「アタ取り」
山近くに住んでいる“アタ取り”の人々が弁当を持って“アタ”取りに山に入ります。
“アタ”を刈り取り、山中腹の小屋に数日放置します。そうする事で“アタ”に付いていた
虫が逃げるのだそうです。
「アタ材料買取販売業者がアタを買い取る」
その後、葉を落とし茎のみにしたアタを束ね、各胴元に販売する「アタ材料屋さん」に買い取って貰います。
軽トラにアタを積んでいる画像を見ていただくと、材料は細い幹と太い幹とが別々に束ねられています。(これは、太い方は骨組みをとなり、
細い方で編み上げていきます)

次にその材料をアタの販売員が買い取り、バリ島やロンボック島に点在する胴元に売り歩きます。
アタ材料買取販売業者 ➡ 胴元へ
胴元は、アタ材料を買い、注文のあったカゴの形を描いた図面と個数、そして材料のアタを取引しているカゴ職人、
或いは村落共同体のグループに製作を依頼します。
編む
下準備から編みへ
依頼を受けた職人達は作業に入ります。

上画像右(トラックの中)と画像左(トラックの外)のアタの太さに違いあります。左は丈が幾分短めで茎が細い、それに比べて右は茎が長く太い。
これは、太い方が横糸の機能、つまり“アタの骨組み”となり、細い短めの方が“編みヒゴとなります。
“編みヒゴ”となる細い方は、ある程度の大きさに割り、剥ぎ、更にいろいろな大きさの穴が開いている手のひらほどの鉄の“ヒゴ抜き”に
望んでいる太さの網目の穴に1本ずつ通して太さを均等にする。
編みヒゴを作る


網目の細かさに依ってグレードが変わります。
此処にある“ヒゴ抜き鉄板”に見られるように穴の大きさいろいろあります。
大雑把に並、上、上の上、極小に伝えられていますが、実際には編み手の鉄板の穴の大きさに依って
変わります。しかし、穴の大きさが均一に決まられている訳ではない、職人に依って大きさは変わるという事です。
ただし、所謂スーパー(ものすごく細かい網目を指します)を編める職人は1%と聞いています。ただし、職人の数を
数えた訳ではないので飽くまでも“そんな感じ”という所だと認識しています。
しかしながら、スーパーを編む職人を見たのですが、指が蛸の足のようにしなやかで美しい指をしていました。
また、アタの根は真っ黒です。その根の部分を使ってかごに模様を編み込みます。
黒い模様

黒いアタの根っこ
編む人

編み上がったかごは職人それぞれが胴元の元へ届けます。(あるいは胴元が各職人の家々を訪れ出来上がったかごを回収します。出来高は帳面に記帳し、代金が支払われます。
編み上がったマットを回収してきた胴元

天日干し

編み上がったカゴ製品は、晴れた日に4日間天日干しします。
燻し


天日干しで良く乾燥したカゴ製品を更に2日2晩以上、納得のいくきれいなチョコレート色になるまで燻製します。
その後燻しをとめ、良く風を通します。それからブラシを掛けます。その後、色付けしない大き目の製品は、形を整える為に糊を薄く流し、形を整え2日ほどかけて十分に乾かします。
ナチュラルアタかごバッグの仕上げ
バッグや持ち手、紐などを付ける製品は、ここで紐づけします。また、バッグなどの中布はこの後に付けます。
その後、製品の表面を点検し、ケバなどを爪切りで切ります。

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黒いバッグの色付け

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1, アタかごを2日2晩燻した後、黒の染料をアタの中まで滲みこませる為にアタかごの表面を小刀で削ります。
2, 表面が削り取られたバッグは、黒の染料の入った釜に入れられ約2時間“煮染め”されます。そして、もし黒色がアタバッグに上手く入らなかった場合は、いい黒色になるまで、この工程を何度も繰り返します。(アタは何度でもこの工程に耐えられますが、ラタンなどのつる植物は溶けてしまう、と聞いています)
染色釜の画像

3, このようにして「煮染め」で黒色が上手く染まっている事を確認した後、バッグを釜から引きあげ、水で洗います。
4, 洗い終わった黒色のバッグはしっかりと乾くように2日間天日干しします。
5, 次にしっかりと乾燥させた黒色のバッグの表面にメラニン樹脂を塗ります。こうする事でバッグの表面の黒色を保護します。
6, その後更に、2日間天日干しします。
7, メラニン樹脂が良く乾いた事を確認後、表面にブラシを掛け、ハンドルを付け、中布を貼ります。
最後に表面を再度点検し、突き出ているケバなどを爪切りで切ります。
